280量子ビット・プロセッサを使用して48論理量子ビットを達成したハーバード大学の研究が話題となっています。年末の量子ニュースはこの話題で埋まっているようです。
量子コンピューティングは、エラーありのNISQと、エラーを訂正するFTQCに分かれて進化を続けています(多少乱暴ですが)。現在実現している多くのサービス・製品はNISQです。一方で同時にFTQCの開発を行っていたり、まだ実現しないながらも当初からFTQCを目指している量子企業がいます。
ハーバード大学の研究者が実証したのは、FTQCの48量子ビット生成。ここ3,4年のニュースの中では最も重要なマイルストーンの達成かもしれません。
先日「コラム:量子の冬、本格化か!?」に書いた通り、量子の冬は本格化してきており、ユーザー企業の動きとしても量子予算を生成AIにシフトしていると聞きます。量子コンピューティングへ期待する気持ちに疲労がたまってきてるのでしょう。
そこで発表されたのがこのハーバード大学の実証ニュースでした。
「量子コンピュータが役立つものになるにはFTQCでなければ」とは、数人のアナリストにより以前から言われているところです。NISQの可能性も捨てきれないとは言え、業界の期待は離れつつあります。
今回のニュースは、業界がFTQCへの扉を開けたという点で大きな話題を呼んでいるわけです。
※参考
・Interesting engineering
・SciTechDaily
・Innovation Toronto
・TechXplore
h.hayashi