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早稲田大学、組み合わせ最適化問題に対する新しい量子アルゴリズムを開発

従来の量子アルゴリズムでは、量子コンピュータの動作時間内に制約条件のある組合せ最適化問題(COP)を解くことは不可能であった。この問題を解決するために、研究者らは、後処理変動スケジューリング量子アルゴリズムと呼ばれる新しいアルゴリズムを開発した。


このアルゴリズムの新規性は、変分スケジューリングと組み合わせた後処理技術を用いることで、COPの高品質な解を短時間で達成することにある。


組合せ最適化問題(COP)は、複雑な問題の最適解を求めるために、物流、サプライチェーン管理、機械学習、材料設計、創薬など様々な分野で応用されている。これらの問題は通常、古典的なコンピュータを用いると非常に計算量が多くなるため、量子コンピュータを用いてCOPを解くことが学術界と産業界の双方から大きな注目を集めている。


この課題に対処するため、早稲田大学理工学術院講師の白井達彦(しらい たつひこ)氏と同大学理工学術院教授の戸川望(とがわ のぞむ)氏はこのほど、ポスト処理変分スケジューリング量子アルゴリズム(pVSQA)を開発した。


「量子デバイスでCOPを解く2つの主な方法は、変分スケジューリングと後処理です。我々のアルゴリズムは、変分スケジューリングと、実行不可能な解を実行可能な解に変換する後処理法を組み合わせることで、量子アニーラーとゲートベース量子コンピューターの両方で、制約付きCOPに対してほぼ最適な解を得ることができます」と白石氏は述べる。


本研究成果は、2024年3月13日付のIEEE Transactions on Quantum Engineering誌に掲載されている。


詳細は同大学のHPに掲載されたニュースリリースを参照。

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