東芝ヨーロッパは、Orange Innovation Networksと提携し、既存の通信用ファイバーと並行して長距離量子ネットワークを構築、量子鍵分散(QKD)で保護されたこのネットワークでは、3つのQKDリンクと2つの信頼できるノードを用いて、184kmのファイバー・リンクで400Gbit/sの量子セキュアなデータ伝送が行われた。
実験室での評価では、現在使用されているネットワーク・アーキテクチャ、データ伝送、多重化方式が再現され、今日のネットワークとデータが量子コンピューターによる攻撃から簡単かつ実用的に保護できることが示された。
QKDは、光の量子特性を利用してセキュアな鍵の確立に使用される量子ビットを生成し伝播させるもので、鍵の盗難の脅威から保護することができるが、古典的なデータ信号のみを伝送するように設計されている現在のネットワークにうまく導入するには課題がある。
既存のファイバー・ネットワークでQKDを使用できれば、QKD伝送専用のファイバーを使用する必要がなくなるため、大幅なコスト削減と導入速度の向上が実現する。
研究者らは、ネットワーク全体でのQKD展開の成功を評価するため全体的な秘密鍵レート(以下SKR)を測定。数10kbpsから数100kbpsのSKRを測定した結果、QKD秘密鍵はネットワークの全体的な複雑さにもかかわらず、量子ビット誤り率(QBER)が設定されたしきい値を快適に下回り、すでに導入されている100Gビット/秒WDMシステムや今後導入予定の400Gビット/秒WDMチャネルで容易に利用・採用できることが示された。
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