量子+AIを戦略の中核にしたSandboxAQは現在、4つのソリューションを展開しています。
1.Security Suite 「AIディスカバリーエンジン」
①脆弱性の発見
ネットワークトラフィックの暗号化状況を360°ビューで展開する。
・Network Analyzer:ネットワーク トラフィックをキャプチャし、トラフィックで使用されている暗号を識別。RSA のような古典的な暗号化アルゴリズムだけでなく、90年代に開発され、既に破られているMD5やSHA-1なども使用されていることが報告されている。
・Application Analyzer:アプリケーションによって行われる暗号ライブラリへのすべての呼び出しを検出・記録し、脆弱性とポリシー違反を特定する。
・File System Analyzer:ファイルをスキャンして、保存データ内の暗号オブジェクトを検索して解析する。
②管理
コントロール・センターは、 Security Suite の中核。アーティファクト、ライブラリ、アルゴリズム、プロトコルなどの暗号化インフラストラクチャの包括的で実用的なダッシュボード・ビューを提供する。
③修復
ポリシー外の違反に対応する修復と監視された施行が可能に。インフラを再構築することなく、脆弱性やポリシー違反のアルゴリズムに即座に対応し、リアルタイムの暗号化アルゴリズムやプロトコルの切り替えで修復できる。これは現在一部のプレビュー・パートナー向けに、ポスト量子暗号への移行のために、脆弱性の発見からトータルサポートを用意している。
2.量子センシング
先ごろ、ナビゲーション用の超高感度量子磁気センサーの開発でSBIR(中小企業技術革新制度)賞を獲得しました。
①生体磁気センシング:人体のスキャンや継続的な医療モニタリング
②地球物理センシング:GPSに代わる、衛星を使用しない位置情報。水中、地下の検出、マッピング、測量、鉱物探査など
③マテリアルセンシング:サイバーセキュリティ、ナノ粒子とエネルギーの検出、環境マネジメントなど
ヘルスケアや量子ナビゲーションなどでの成果発表が出始めています。
3.量子シミュレーションと最適化
「現在、分子シミュレーション、つまり原子と分子間の量子力学的相互作用を正確に決定することに焦点を当てている」とHPで紹介されています。創薬を含む「バイオ医薬品」そして、AIと量子シミュレーションの相乗効果を利用して、材料科学を変革すると。
量子センシングに関する内容はリンクのビデオで紹介されています。
4.Sandwich「開発者向けのアジャイル暗号化」
Sandwichは、オープンソースの統合APIであり、開発者は暗号ライブラリの複雑さを解消し、代わりにAPIを呼び出すだけで実行できるようにします。Sandwichを使用すると、開発者は一貫した暗号オブジェクトとして利用できるプロトコルと、実装の独自のスタック、つまり「サンドイッチ」を作成できます。
SandboxAQの4つのソリューションを見てみると、量子ソフトウェアサービス企業として、来るべきQDay(量子時代)に向けて、現在出来ること、そして移行準備のために必要となるサービスを提供しているのが伝わってきます。NVIDIAとも提携し、創薬などで今できる最善・最大の計算力も提供しています。
量子・AI時代の姿を最もイメージして、そこに向けて着実な歩みを続けているのではないでしょうか。マガジンでも再注目企業として追っていきます。
詳細は同社のHPに詳しく解説されています。
h.hayashi