「量子とサイバーセキュリティ:SNDL攻撃(Store Now Decrypt Later)は差し迫った脅威」で紹介したように、Rebecca Krauthamer氏は、量子とAIが拓く未来は「未知の未知」である、と述べました。
量子コンピューティングは、計算にどれほどの速度をもたらすのでしょうか。またそのことで私たちの生活はどのように変わるのでしょうか。既に生成AIは世界を変え始めています。さらに次世代の進化として、「AGI(Artificial General Intelligence(人工汎用知能))」の研究が活発に進められています。
量子とAIは、経済活動を含めた私たちの生活を、大きく変えてしまうことが予想されています。
20年前、コンピュータが手のひらサイズになり通話と統合され、個人がそのスマホを持つようになるとは考えもしませんでした。2007年にiPhoneが登場し、その10年後には多くの人が当たり前に持ち、生活の一部として便利に使用するようになりました。
そして今から20年後、量子とAIが「未知の未知」のライフスタイルを生み出しているかもしれません。
生成AIは、chatGPTに始まり画像、音楽、映像と、ほんの1年程度でその活躍の範囲を広げています。そして、多くの企業でその使用が推進され始めています。量子関連企業の中でもAIの進化は影響を与えることになりました。
量子関連企業の中で、最も早くから「量子+AI」をその事業の中核に置いたのは、SandboxAQでしょう。
SandboxAQは、2022年春にAlphabet(Googleの親会社)からスピンアウトしました。同社のHPでは「SandboxAQはエンタープライズSaaS業であり、世界で最も困難な問題のいくつかに対処するために、AIと量子テクノロジー(AQ)を組み合わせたソリューションを提供しています」と自社の紹介をしています。
Zapata AIも量子とAIにスポットを当てています。量子コミュニティでは、Zapataは量子企業からAI企業へと軸足を移したという認識が一般的だと言います。今年の第1四半期にSPAC(特別目的買収会社)のAndretti Acquisition Corp.と合併し、上場企業になる予定となっています。
量子とAIは、その可能性が未知数であるだけでなく、そこから派生するセキュリティリスクも「未知の未知」として大きなものになりそうです。当マガジンでは量子とAI、そしてセキュリティに注視しながらニュースを配信していきます。