Microsoftがこれまでで最もエラーのない量子ソリューションを開発したと発表しました。
量子コンピューティングへの道のりはまだ長く、10年ほどを見積もるのが一般的な現在です。ユースケースに特化したものであれば3年から5年で登場するのではないか、という声もあります。
現地時間2024年4月4日、MicrosoftとQuantinuumの発表は、その状況が変わるかもしれないことを告げました。彼らは、これまでで最もエラーのない量子コンピューティング・システムを開発したと言っています。
量子ビットの問題点は、エラーが発生しやすいことです。これが今日の量子コンピュータ(ノイジー中間量子[NISQ]コンピュータとして知られている)が研究や実験に使用されている主な理由。
Microsoftのソリューションは、物理量子ビットを仮想量子ビットにグループ化することで、物理量子ビットを破壊することなくエラー診断と訂正を適用できるようにし、それをQuantinuumのハードウェア上で実行することでした。結果、物理量子ビットだけに頼るよりも800倍もエラー率が改善され、14,000回以上の実験をエラーなしで実行できたとしました。
ストラテジック・ミッション・アンド・テクノロジーズ部門のEVPであるJason Zander氏は、「この成果によって、実用的な用途に十分な信頼性を持つ「レベル2レジリエント」量子コンピューティングがついに実現する可能性があります」と述べています。
今後数カ月以内に、Azure Quantum Elementsを通じてこの信頼性の高い量子コンピューティングが体験可能になります。目標は、レベル3の量子スーパーコンピューティングをさらに推し進めることで、理論的には気候変動や薬物研究など、複雑な問題に取り組むことができるようになります。実際のとことろ、そこに到達するまでにどれだけの時間がかかるかは不明ですが、少なくとも実用的な量子コンピューティングに一歩ずつ近づいたとしています。
詳細は、発表を受けてこちらのリンクにコラムが書かれています。youtubeへのリンクもあるので英語ですがぜひ参照してみてください。