Qiskitは、量子コンピュータ用のオープンソース・フレームワーク。量子回路を作成し、量子デバイスやシミュレーション上で実行するためのツールを提供する。すでに量子コンピュータ実行の際にもっともよく使用されるSDKとなっているが、今回メジャーバージョンのQiskit1.0がリリースされた。
メジャーバージョンがリリースされたことで、今後1.0系における下位互換性がある程度確保されることになる。0.*系は重大な変更が頻繁にあり、そのたびにコードの変更が必要だったが、その不便さがなくなるのは普及にとって大きいだろう。
メモリとパフォーマンスに関して大きく進化した。
速度の点では、進行中の内部リファクタリングと内部でのRustコードの導入により、Qiskit1.0の多くの機能は以前よりも大幅に高速になっている。たとえば、Qiskit 1.0のトランスパイラーは、Qiskit 0.33よりも16倍高速に回路をバインドおよびトランスパイルできると同時に、追加のボーナスとして回路の深さが短くなるという。
メモリに関しても、回路のフットプリントを削減するために多くの内部リファクタリングを行い、Qiskit 1.0では Qiskit 0.39と比較してメモリ使用量が平均55%減少したことが実証された。
詳細はリリースノートを含むIBMのブログ記事を参照。