現地時間2024年2月5日、英国政府は2033年までに量子対応経済への変革を目指す取り組みの一環として、同国の量子分野に総額 4,500 万ポンド (約84億円) の投資を発表した。これにより医療、エネルギー、輸送などを改善するための量子技術の利用が大きく加速される。
「てんかんや認知症などの疾患の診断改善を目的とした量子技術を使用したハイテク脳スキャナーの開発」、「量子センサーを使用してコストを削減し、トンネル内の安全性を向上させる列車用スマートナビゲーションシステムの開発」などのプロジェクトが資金提供の対象となる。
「今回の投資は、英国の優秀なイノベーターを支援するという我々のコミットメントを明確にするものです。神経疾患と闘う人々にとって希望の光となる量子脳スキャナーに関する最先端の研究は、その一例に過ぎません。英国はすでに量子技術の世界的リーダーであり、その地位を維持するため政府はこの変革的技術への投資を継続し、我が国を技術力と経済成長の新時代へと押し上げていく」
と、Andrew Griffith科学大臣は述べた。
英国は世界の量子技術の最前線を進むために、2014年から英国国家量子技術プログラムが実施されており、2023年3月には、「国家量子戦略」を発表、2024年からの10年間で英国における量子技術の開発に25億ポンド(約4,650億円)を投入することを約束している。
今後10年間で、量子技術は英国の生活の多くの側面に革命をもたらし、経済の成長や全土での高賃金の雇用の創出など、多大な恩恵をもたらすことが期待されており、これは現首相の5つの優先事項の1つである。
詳細は、HPCWireに掲載されたニュースリリースを参照。