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大阪大学、断熱通過の加速による高速かつロバストな量子制御へ

大阪大学産業科学研究所(以下SANKEN)の研究者らが、「断熱への近道(以下STA)」法を用いて、スピン量子ビットの断熱的進化を大幅に高速化したことがPhysical Review Letters誌に掲載された。パルス最適化後のスピン・フリップの忠実度は、GaAs量子ドットにおいて97.8%に。この研究は、他の断熱的通過にも適用可能であり、高速かつ高忠実度の量子制御に役立つ可能性がある。



量子状態を変化させる従来の方法はパルス制御を用いるが、これはノイズや制御誤差の影響を受けやすい。これに対し、断熱的進化はノイズに強く、一定の時間が必要であるが、量子系を常に固有状態に保つことができる。



SANKENの研究チームは、科学者Xi Chen氏らによって提案された理論のSTA法を用いてゲート定義量子ドット内のスピン量子ビットの断熱的進化を大幅に加速することに成功した。

「われわれはSTAの遷移のない量子駆動方式を用いたので、急激な進化が起こっても系は常に理想的な固有状態を保つことができました」と、共著者の藤田高史氏は説明する。



研究チームは、この方法を用いて、フォールトトレラント量子情報処理のよりシンプルで実現可能なソリューションを見出したいと考えている。



この論文はこちらのリンクから、また追加情報はこちらのニュースリリースを参照



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